中小企業診断士受験のとき簿記検定を受けるべきか

はじめに

中小企業診断士試験の受験期間に簿記検定を受けておくべきかについて、書いていきたいと思います。

簿記検定

知名度、検定試験合格時の到達レベルから、日商簿記2級(←通称です)が取り上げられることが多いです。
商業簿記60点、工業簿記(原価計算を含む)40点で構成されていて、70点以上で合格となる試験です。

簿記検定各級のレベルが日本商工会議所のサイトに掲載されていますので、気になる方は、そちらをご覧ください。
ざっくりとこんな内容です。
簿記3級:ビジネスパーソン必須の基礎知識
簿記2級:経営管理に役立つ知識で、財務諸表の数字から経営内容を把握できる

日商簿記検定3級~2級までの学習をすると、このような範囲がカバーできます。
(商工会議所の出題区分表を参考にしました)
【商業簿記】
・のれん
・引当金
・売上割引
・建設仮勘定
・圧縮記帳
・リース取引(一部は1級の範囲)
・税効果会計
【工業簿記】
・主な原価計算手法
・部門費集計
・損益分岐分析

実は、日商簿記検定2級の範囲に含まれないもの→つまり日商簿記1級の範囲も少しだけあります。
(商工会議所の出題区分表を参考にしました)
【商業簿記】
・社債の一部
・リース取引の一部
・キャッシュ・フロー計算書
【工業簿記・原価計算】
・設備投資キャッシュ・フロー
・資本コストと資本配分 

中小企業診断士試験との関連性

イメージですが、簿記2級の合格レベルまで達すると1次試験の半分くらいをカバーできて、2次試験の基礎固めができるといったところです。

日商簿記2級の範囲を学習済だった場合、私が2次試験を受験した2019年の事例Ⅳの第3問では、新製品プロジェクト=部門費集計して、当初の赤字は他部署の黒字で相殺=納税額減(税効果がある)が生じると考えたのではないでしょうか?

ただし、ここ数年、日商簿記2級は難化していて、中小企業診断士試験のためには不要な部分もかなりあるのは事実です。

簿記検定はいつ受ける?受けるなら何級まで?

「結論はXX」と締めくくりたいところですが、一つに定まりません。

◆フルライン戦略
【中小企業診断士試験の前に日商簿記2級の合格を目指す】
 1次試験の財務・会計の勉強時間が短時間で仕上がるはずです。
 日商簿記2級合格時点で事例Ⅳの基礎知識も備わっているのではないでしょうか?

◆集中戦略
【中小企業診断士試験の過去問で出題された論点の理解を目指す】
 1次試験は過去問を繰り返すだけで良いと思います。
 2次試験の事例Ⅳの勉強は早めに開始することをお勧めします。

 集中戦略のときに財務・会計のテキストが分かりにくいと感じたら、、、
 ①簿記3級のテキストの該当箇所を読んでテキストの練習問題をやる。
 ②簿記2級の工業簿記のテキストで分かりやすいものを読んでみる。
 (簿記検定に合格できるレベルまで理解する必要はなさそう)
 といったことは効果があると思います。
 ※ただし、直前期にこの方法を取ると他の科目の勉強時間が取れなくなります。
  GWくらいまでが良いと思います。

 工業簿記って必要なの?と思われた方もいらっしゃるでしょうか。
 2次試験の過去問を見た方はお気づきかと思いますが、
 何となく製造業の比率が高いんです。
 事例Ⅲはもとより、事例Ⅰや事例Ⅳでも製造業だったりするので。。。
 企業数では小売業の方が多いのですが、組織戦略は製造業の方が適しているのかも。

これだけは伝えたいこと

口述試験の受験票が届いたら、簿記3級と簿記2級(工業簿記)まではマスターした方が良いです。
実務補習のときにとても重要なので。

実務補習で行う診断のイメージとして、もう新刊は発行されていないと思うのですが、TAC出版の「中小企業経営診断の実務」や中央経済社の「事業デューデリジェンスの実務入門」などを読むとイメージがつかめるのではないでしょうか?

私が中小企業診断士講座を受講したStudyingでも簿記講座を提供されていました。

スタディング 簿記講座

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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